第3回 金環日食シンポジウム「あと1か月!カウントダウン金環日食」は終了しました。
全国から169名の参加がありました。

シンポジウム当日、インターネット中継(Ustreamでのライブ配信)を行いました。
講演・ディスカッションのようすを録画でご覧いただくことができます。
http://www.ustream.tv/channel/naoj-pr


第3回 金環日食シンポジウム
「あと1か月!カウントダウン金環日食」

2012/04/22 更新

いよいよ大きな話題となる金環日食の1か月前にあたる2012年4月21日(土)に、第3回目となる金環日食シンポジウムを開催します。日食へ向けて展開されているさまざまな取り組みの例をご紹介いたします。

また、適切な観察方法や安全確保のための知識など、日食を見せる立場の方にぜひ知っておいていただきたい情報をお伝えします。太陽をじかに見つめてしまったり、不適切な観察方法によって目を傷めてしまうことのないよう、2012年金環日食日本委員会は、より実践的な事故防止を呼びかけます。

参加者によるポスター発表の場や、ディスカッションの時間も設けます。日食当日を迎えるにあたっての疑問や悩みを参加者どうしの情報交換で解決していける場となることをめざしています。

日食前最後の金環日食シンポジウムです。ぜひご参加ください。

日時

2012年4月21日(土) 10:00〜17:00
意見交流会(懇親会) 17:30〜19:00

会場

国立天文台 三鷹キャンパス すばる棟(W1) 1階 大セミナー室 ほか
(東京都三鷹市大沢2-21-1)

交通

バス停「天文台前」下車

・JR武蔵境駅南口より小田急バス
・JR三鷹駅南口よりバス小田急バス
・JR武蔵小金井駅南口より京王バス
・京王線調布駅北口より小田急バスもしくは京王バス

いずれも、所要時間15〜20分

(参考リンク)

国立天文台 三鷹キャンパスへのアクセス方法
http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/access.html

キャンパスマップ(すばる棟の位置をご確認ください)
http://www.nao.ac.jp/access/mitaka/campus-map.html

主催 日本天文協議会 2012年金環日食日本委員会
共催 自然科学研究機構 国立天文台
対象 日食に関して一般市民対象の活動をされている方
定員 150名(要申込・先着順)
申込

参加申込・ポスター発表申込受付は締め切りました。

参加費 無料
※意見交流会(懇親会)は参加費3000円(当日払)です。

このシンポジウムは国立天文台研究集会です。

 

プログラムの概要(予定)

10:00 会場受付開始
10:00〜12:00
(院生セミナー室)

ポスターセッション

2012年金環日食日本委員会の取り組み
2012年金環日食日本委員会

2012年金環日食日本委員会の取り組みについてご紹介いたします。

 

世界一斉天文イベントの紹介
藤由嘉昭
(世界一斉天文イベントワーキンググループ)

金環日食のイベント登録についてと世界一斉天文イベントWG(仮)の紹介

 

『ソラミンゴプロジェクト
〜全国の学校で日食観望会を開催しよう!〜』
北山輝泰
(株式会社ビクセン 国内営業部)

5月21日の日食は、最大食になる時間がちょうど児童、生徒、学生の通学時間帯にあたります。通学途中の子供たちが日食に気をとられ注意不足になることにより、不慮の事故等が発生することが懸念されます。その事故を防ぎ、学校内で安全に楽しく日食を観察できるように「日食観望会」を開催しようという働きかけのプロジェクトです。

 

2012年金環日食気象観測発表会=気象観測コンクール=
森 友和
(日食観測学習連絡会)

私たちは、5月21日の金環日食を、児童・生徒が自ら積極的に観測してもらいたいと活動しています。そのために大越治氏が中心になって作成した「ワークシート」およびその「教師用解説書」を多くの学校等で使ってもらえるように取り組んでいます。特に5月21日の金環日食においては、安全にそしてどなたでも取り組める気象観測を推奨しています。
そこで、「2012年金環日食気象観測発表会」として、日本各地で観測できる金環日食や部分日食にともなって起こる"気温の変化""雲の変化"など気象変化を、児童・生徒が自ら極的に観測・記録し、この日食観測をきっかけに、天文・宇宙についてより深く関心を持ち、私たちが住んでいる地球の環境に、太陽が大きく影響を与えていることを理解して欲しいと願っています。

 

太陽撮影専用フィルター
中西昭雄
((有)ナカニシイメージラボ)

2009年からから発売し、好評を得ています露出倍数10万倍の『NIL/IDAS D5 フィルター』に加え、露出倍数2万倍の『NIL/IDAS D4.3RS フィルター』を4月上旬より新発売します。
『NIL/IDAS D4.3RS フィルター』は反射防止処理に優れ、クリアな太陽像が得られます。また露出倍数10万倍のフィルターに比べ、2段速いシャッター速度が切れます。このため焦点距離を引き伸ばしたり、少々薄雲が出た場合でもぶれにくいのが特徴です。

 

今年度『一家に1枚』シリーズの「太陽」の完成報告
野澤 恵
(一家に1枚「太陽」制作委員会)

科学技術週間の一環として、文部科学省は「一家に1枚」ポスター制作を毎年行なっている。今年度には「太陽」が採用され、配布されている。特に4月の第三週は科学技術週間ということで、各地でイベントが開催され、このポスターが公開されている。内容は、天体としての太陽、太陽と地球・生命・人間、2012年5月21日の金環日食の3つの部分で構成される。
金環日食日本委員会のメンバーを製作委員会に迎え入れ、安全に観察する方法などを盛り込んだ。
発表ではそのコンセプトの詳細や、完成版の閲覧を行う。

 

安全な日食メガネとは?
江原順子
(アイソテック(株))

安全な日食メガネについて考えてみましょう。太陽光線が、どの波長が目に影響するのか。フィルターの実測透過グラフを掲載します。また、見え方もどのように使用するフィルターで変わってくるのか。フィルターによっての画像で比較します。

 

株式会社アストロアーツの金環日食関連製品の紹介
川口雅也
(株式会社アストロアーツ)

アストロアーツでは、金環日食に向けて、高精度で多角的な日食検討が可能な金環日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ2012」を開発し、ダウンロード販売で提供するとともに、日食ムック「エクリプスガイド金環日食2012」の付録DVDに収録しました。また、眼視での安全な日食観察のために「日食観察プレート(B5版)」を販売し、「同A5判」を「星ナビ」5月号増刊「金環日食を見る」の付録としました。ポスター発表では、これらの日食関連製品の特徴を紹介します。

 

日蝕補完計画
友田 哲
(SF天文同好会)

クールジャパンを通過する本影錐。金環日蝕は日本のサブカルチャーに何をもたらすのか? 平日早朝に起きる日蝕は、果たして社会現象を巻き起こせるのか?? 日蝕当日にむけて起きるであろう様々な日蝕ネタを記録にとどめ、みんなで共有し、盛り上がろう!

 

金環日食イベント「太陽が金の環になる日のヒミツ!」
かわいじゅんこ(プラネタリウム・プランナー)
久保田英州(パナソニックセンター東京)

金環日食を安全に楽しく観察するための事前準備イベントのご紹介です。JAXAや金環日食日本委員会、国立天文台から様々な講師をお呼びして、日替わりで楽しくためになる講演会(小学生対象)を開催します。また、日食だけではなく広く宇宙や天文にも興味を持ってもらえるように、プラネタリウムも組み合わせました。そのほか、日食についてのパネル展や天気がよければ、太陽観測用の望遠鏡で、太陽の姿も観察します。

 

太陽半径の精密観測プロジェクト
早水 勉
(せんだい宇宙館)

このプロジェクト(金環日食限界線共同観測プロジェクト チームB)は、ベイリービーズの明滅の瞬間の時刻を正確に観測することを計画しています。これは、星食の観測手法で月縁をものさしとして、太陽の半径を精密に観測する試みです。星食には、月が恒星を隠す星食や、小惑星が恒星を隠す「小惑星による恒星食」がよく知られています。これらの現象において、恒星が消滅する瞬間,出現する瞬間の時刻を正確に計時することで月縁や小惑星の形状を精密に決定できます。これを日食に応用する観測です。

 

皆既日食観測での日食網膜症の罹患について
深津貴成

2009年7月に発生した皆既日食を飛行機から観測する機会に恵まれました。全国的に天候が思わしくない中、幸いにもクリアな条件で皆既日食のハイライトを観測することができましたが、その代償に日食網膜症を患ってしまいました。警鐘を鳴らす意味でも、文字通りの「痛い目」についてお伝えします。

 

東京理科大学近代科学資料館 日食展
〜5.21 奇跡の天文現象〜
天野拓実
(東京理科大学天文研究部)

東京理科大学では近代科学資料館にて特別企画展示「日食展」を開催中です。写真展、日食の紹介、理科大天文研究部の取り組み、日食計算、安全な観察法、日食映像、古文書など、日食に関する様々な展示をしております。10時から16時まで入館料無料にて開館しております(閉館日は日曜日・月曜日)。また、5月21日当日には5キャンパスからインターネット中継を実施します。

 

     

13:00〜17:00
(大セミナー室)

第1部 主催者側からの講演 13:00〜14:15

2012年金環日食日本委員会、金環日食への取り組みについて
大西浩次
(2012年金環日食日本委員会)

2012年5月21日の金環日食の概要と、2012年金環日食日本委員会でのこれまでの取り組みを紹介する。また、これらから日食までの取り組みと日食後の予定についても紹介する。

 

2012年金環日食をめぐる最新動向
大川拓也
(2012年金環日食日本委員会)

2012年金環日食日本委員会の近況と広報物について報告する。あわせて、行政、マスコミ、眼科関係などから発信されているさまざまな関連情報を紹介し、日食をめぐる最近の動向を俯瞰する。 目の傷害や交通事故が起こらないよう、また何より、この日食が多くの人にとって宇宙を感じるすばらしい体験となることを願い、残り1か月、当委員会は日食観察に必要な知識のさらなる普及に努めていく。一層のご理解を賜りたい。

 

日食網膜症とその対応について
尾花 明
(聖隷浜松病院眼科)

日食観察による視力低下が医学的に始めて認められたのは1722年で、19世紀に日食網膜症solar retinopathyと名付けられた。我が国でも1888年の報告以降、日食のたびに患者発生の報告がされている。講演では典型的な日食網膜症の症状および発症機序について紹介するとともに、その治療と予後について説明する。
また、日食観察時の注意事項についても述べる。特に、まぶしさに対する慣れに注意が必要であり、成人より眼の光透過性が高い子供、まぶしさを訴えない幼児はより注意を要する。

 

金環日食を楽しむために〜遮光フィルタの規格・透過率など〜

斎藤泉、松尾厚
(2012年金環日食日本委員会)

今回の日食は、大きく欠けた太陽を全国で楽しむことができる。しかし、欠けた太陽も非常に眩しいため、適切な観察が不可欠である。裸眼で見る危険性をはじめ、安全な観察法に触れるとともに、自作の日食観察グラスの危険性や異常チェックのポイントなどについても紹介する。
また、日食観察グラスの規格が日本には存在しないことや欧州の規格、国際化への動向についても紹介する。特に、正確な規格表示や説明の充実、誤解を生じるPRを避けるようにメーカーに呼びかける。さらに、昔から用いられてきた、すすを燻したガラス板、感光したカラーフィルム、一般のサングラスなどの危険性について、透過率の測定結果を用いて紹介する。

 

日食写真の安全な撮影法

塩田和生
(2012年金環日食日本委員会)

金環日食の撮影は、眼視での観察と同様に眼の安全性に配慮しながら行う必要がある。太陽・日食撮影ベテラン向きの直接撮影法と、初心者向けの間接撮影法の両方について、作例を紹介しながら安全に撮影するためのポイントと注意点を紹介する。

 

 


第2部 特別講演等 14:15〜15:25

金環日食の限界線共同観測について
井上 毅
(明石市立天文科学館/金環日食限界線研究会)

金環日食と部分日食の境界線が金環日食限界線です。 金環日食の北限界線は九州、四国、近畿、中部、関東、東北の各地をとおります。 金環日食限界線研究会は2012年の金環日食の限界線を研究するため結成されました。 研究会では

  1. 多くの人々が参加できる日食メガネによる限界線決定
  2. ベイリービーズの観測による最高精度の太陽直径決定
  3. 多地点日食画像の撮影と教育画像の制作

を計画しています。金環日食の限界線について史上最大の共同観測です。 各地の取り組みと合わせて紹介します。

 

NPO花山星空ネットワークの取り組みと
京都・滋賀での金環日食の観測
山村秀人
(NPO花山星空ネットワーク)

NPO花山星空ネットワークでは、太陽めがねの製作と、3回に分けて一般向け「準備勉強会」・観測者向け「観測準備連絡会」を開催し てきました。合わせて、京都・滋賀での観測の取り組みについて報告します。

 

2012金環日食福島連絡会の活動報告
吉田 宏
(福島県立医科大学 医学部 自然科学講座(物理学))

福島県内の子どもたちが今回の金環日食を安全にそして有意義に観察できるよう、各教育機関に働きかけるため、福島県内の天文関係者・科学館関係者・大学関係者を中心に、昨年12月「2012金環日食福島連絡会」が発足しました。本講演では、当連絡会の活動について報告いたします。

 

金環日食イベント:横浜市緑区の取り組み
清 亜希子
(横浜市緑区総務課担当係長)

金環日食の中心線が通るまちヨコハマ」として、区民・市民の一体感を醸成すると ともに内外からの集客、まちの活性化を図るために、地域の方々や商店街などとタイ アップした様々なイベントを紹介します。また、子供たちの自然への興味・関心を高め、科学する心を育むための取り組みについて紹介します。

 

5・21朝、準備OK?
都築泰久
(株式会社ビクセン)

5月21日は全国で日食を観察できますが、その時間は早朝6時から9時ごろ。ちょうど、通勤通学時間帯です。きちんと準備をしておかないと、あわただしい朝の時間の中で貴重な観察チャンスを逃してしまうかもしれません。埼玉県所沢市では、安全に日食観察できるようと、市内の全小中学校での「金環日食観察会」開催を決定しました。この所沢市の取り組みを中心に、5月21日早朝に向けたさまざまな企画をご紹介します。

 

地元で起こる日食ならではの取組について
尾久土正己
(和歌山大学観光学部教授)

これまで日食といえば、どこかへ遠征して観測するものであったために、インターネットを使って中継してきたが、今回の金環日食は地元で観察できるため、地元ならではの取組について、いくつか考えてみた。

 


第3部 ディスカッション 15:40〜17:00

「あと1か月!これからの取り組み」

進行:渡部潤一(国立天文台副台長)

 

 

日食後のまとめに向けての呼びかけ

飯塚礼子(2012年金環日食日本委員会)

 

17:30〜19:00 意見交流会(懇親会)

Ustream ライブ配信URL
http://www.ustream.tv/channel/naoj-pr

 


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