2012年金環日食日本委員会の活動
2012年5月21日の金環日食では、日本国内の多くの人々が居ながらにして金環食や部分食を楽しむことができる(関連発表 Y25a)。人々が、この日食を安全に楽しむためには、適切な情報発信がきわめて重要である。そこで、2011年4月22日に国内天文関連団体・機関の合同組織「日本天文協議会」のワーキンググループの一つという位置付けで「2012年金環日食日本委員会」(以下、日食委員会)を設立した。この日食委員会では、安全な日食観察をめざす4つの柱を掲げて活動を展開している。
- 日食観察に関する知識を周知する(関連発表 Y26a)。
- 安全知識の基礎となる日食メガネなどの観察方法に関する調査研究を行なう(関連発表 Y25a, Y26a)
- 日食関連イベントなど観察の機会提供に関する情報を収集・発信する。
- シンポジウムを開催し日食に関心をもつ方々の情報交換の場を創出する。
これまで、2回のシンポジウムを日食委員会主催、国立天文台研究集会として開催した。キックオフ的要素を持つ第1回シンポジウム(2011年5月21日@東京理科大学)では、主に眼の障害発生防止に関するセッションを設け、太陽光のブルーライトの危険性を周知する最初の機会となった。第2回シンポジウム(2011年10月29日@日本未来科学館)では、「みんなで楽しむために」をテーマに日食へ向けたさまざまな取り組みを紹介した。いくつかのグループ、団体による観測計画の発表も相次いだ(関連発表 Y28a)。第3回シンポジウムは金環日食の1ヶ月前、4月21日に国立天文台三鷹にて開催する。
また、日本眼科学会、日本眼科医会とも協力し、日食を安全に観察するための方法及び注意事項等を「2012年5月21日 日食を安全に観察するために」としてまとめ、文科省より、学校及び社会教育施設に周知していただいた。
学校向け資料「2012年5月21日 日食を安全に観察するために」
  http://www.solar2012.jp/hazard/safety_for_school_201202.pdf
(参考)2012年金環日食日本委員会について
「日本天文協議会」は、世界天文年2009の成果を引き継ぎ、日本の天文研究・教育・普及・アマチュア活動が一体となって、天文と科学の理解を日本の社会に広げるための合同組織(会長:海部宣男)である。この中のワーキンググループとして、金環日食を安全に楽しむための適切な情報発信を行うことをめざした委員会「2012年金環日食日本委員会」を立ち上げ、観察方法の情報提供などをしている。
日本天文協議会は、下記の8団体から構成されています。(2012年1月現在)
  社団法人 日本天文学会、自然科学研究機構 国立天文台、宇宙航空研究開発機構
  天文教育普及研究会、日本プラネタリウム協議会、日本公開天文台協会
  日本天文愛好者連絡会、星空を守る会