ページ 前へ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 次へ | | リンク

2012年金環日食に向けた教材開発

 2012年5月の金環日食に向けて、小中学生が楽しんで日食について学び、自らの手で観察できるようなワークシートと指導者のための手引き書を作成した。

 2009年7月の皆既日食では薩南諸島を皆既帯が通り、そこに住む児童・生徒は居ながらにして皆既を体験できる幸運に恵まれた。しかし、そこで学ぶ約2000人の小中学生には、日食を学ぶ環境が十分に整っていないことが分かり、教員や天文アマチュアを中心に日食観測学習連絡会が作られた。会では日食を学ぶ教材を作ると共に、子ども達が観測結果をネット上で共有することを目指した。日食当日は残念な天気だったが、開発した教材は広く使われ、子ども達の作品は今もWeb上で見ることができる。(図4-1

 今年の金環日食では日本の人口の2/3が金環帯に住み、2009年以上に多くの人の関心を引く。観測学習連絡会では新たに金環日食用の教材を作成した(図4-2)。教材のワークシートは、指導者が子ども達の実態に合わせて自由に改変できるようにした。指導者用解説書は、ワークシートの使い方のほか、天文が苦手な指導者でもこれを読めば自信を持って指導できる内容にすると共に、目の安全を確保できるよう配慮を加えた。さらに、多くの内容の中から使いたい部分を選べるようクイックガイドも作成し、Webから自由にダウンロードできるようにした。これらは2012年金環日食日本委員会のシンポジウムや各種の日食講習会で見本を配布し、すでに多くの学校・プラネタリウム・科学館をはじめとする施設で使われ始めている。今後も、子どもたちに日食を見せたいがどうしてよいか分からない、という指導者の手助けに少しでもなるよう、教材の普及に努めていきたい。

参照: ダウンロードサイト http://www.astor-eclipse.com/eclipse-learning/

 


△上へ